今から約千年前。この京都には魑魅魍魎が跋扈し、亡者が溢れ、悪霊が跳梁し、夜には鬼どもが群れを成して百鬼夜行を行ったという。
 たとえ多くの神社仏閣が建ち並ぼうもその闇は晴れることはなかったそうだ。
 それより千年以上の月日がたった現在、皮肉なことに神や仏の地位を貶めた科学によってこの地よりそれらの影はこの魔都より消え去った。
 魑魅魍魎は抹消され、亡者は祓われ、悪霊は浄化され、鬼どもの百鬼夜行は規制された。
 今この街にいるのは人のみだ。
 抹消できない苦悩を抱え魑魅魍魎の如く跋扈し、祓われることのない欲望を持って亡者の如く溢れ、浄化不能の劣情を膨らませて悪霊の如く跳梁し、鬼よりも無慈悲にこの世界に寄生している。
 最高に愉快な世界だ。
 最悪に愉悦の世界だ。

 ――うそだ。

 そんな幻想は戯言でしかない。
 いまだにこの世界には鬼が存在している。
 跋扈する人を殺し、溢れる人を殺し、跳梁する人を殺し、寄生する人を殺す。
 殺して、殺して、殺して、殺す。
 殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺す。
 殺して、殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して――。
 ――殺す。

 殺人鬼。

 現代に生きる鬼。
 息を吸うように、息を吸うために、人を殺す。
 それに意味などない。
 殺人に意味を求めるようでは殺人鬼とは言わない。
 赤鬼が赤いように、青鬼が青いように、殺人鬼は人を殺すのだ。
「かはっ、傑作だぜ」
 自ら作り上げた死体を前に鬼は笑う。
 別に楽しいわけではない。こんな行為には何の意味も無いのだから、喜びも楽しみもあるわけが無い。
 それでも鬼は笑っていた。
 鬼は一見すれば人間の少年のような姿だった。
 小柄な体躯に細い手足。白く染めた髪を後ろで結わいて垂らしている。先ほどからずっと笑みを浮かべる、見ようによっては可愛らしく見えるその顔には、一際目を引く禍々しい刺青が施されて台無しだ。
 別に角も生えてなければ、虎皮の腰みのもつけていない。
 それでも間違いなくソレは鬼だった。
 鬼は十数個のパーツにばらさられた物体へと近寄る。数刻前までは上等であっただろう、スーツに手を伸ばすと、さほど迷わずに目的のものを取り出す。鬼の手に握られていたのは財布だった。
 もちろんこれが欲しくて殺したわけではない。あくまでもついでだ。
 しかし、ついでとはいえ、決して軽視して良いものでもなかった。何せ鬼に働き口なんてあるわけが無いのだから、こういうところで路銀を手に入れておかないと行き倒れてしまう。
「勇者様だってそうやって、路銀と経験値を稼いでいるんだ。 何の問題も無えよな」
 経験値はまったく稼げなかったけど、と鬼は笑う。
 そんな笑えない冗談に、本来あり得ない鬼以外の笑い声が響く。
 もちろん財布の元の持ち主ではない。自分の財布を抜き取られて笑える寛容な人物など早々いないだろう。第一ただの物になったソレが笑い声を上げるなどできるはずが無い。
 そもそも笑い声は鬼の正面ではなく後ろから聞こえてくる。
「はは、んでその金はすぐに装備や道具に消えちまうんだよな、悪銭身につかずとは良く言ったもんだぜ、なあ。 だけどな、気をつけろよ勇者様。 モンスターにられちまったら、せっかく稼いだ金も半分になっちまうだからな」
 その笑い声は女のものだった。少なくとも声を聞く限りでは女だった。
 鬼は「傑作だよ」と笑いながら呟いて、後ろを振り向く。

 そこには真紅があった。

 夜の暗がりの中でも栄える赤色。何の不純物も無い純粋な赤。
 その赤色が鬼の中の何かに引っ掛かる。
 赤色はやはり、女だった。 冗談みたいに長い足に抜群のプロポーション、鬼から見たら見上げる身長だ。 顔は残念ながら逆光のために伺えないが、笑っているのは間違いないようだ。その全身からは暴力的な威圧感を発している。
 バラバラの死体に目もくれず、鬼の存在に畏怖することなく赤色は笑いながら近づいてくる。
「はっ、なるほどねえ。 話には聞いてたけど随分と可愛らしいじゃないか、連続通り魔の殺人鬼くん」
「かはっ、そういうあんたは随分と格好良いね、赤色のねーちゃん」
 鬼に対してふてぶてしい態度の赤色に鬼は気を悪くした風も無く、笑う。むしろどこか楽しそうに見えた。
 それはそうだろう。鬼とて男だ。目の前に好みの女性が現れれば楽しくもなる。古来より鬼は女好きと相場が決まっているのだから。
 この鬼はどうやら背が高い女性が好みらしい。
「そいつはありがとうよ。 それじゃあ、これからあたしとデートしない」
「嬉しいお誘いだね。 どこへ行く」
「監獄と地獄。 好きな方を選ばせてやんよ」
「かはは、んなつまんねえとこに行くより、もっと楽しいことしようぜ」
 内容と雰囲気があまりにもバラバラな雑談をしながら、鬼はさらにバラバラな行動に移る。
 笑いながら目の前の雑談をしている相手に、いつの間にかその手に握られていたナイフを閃かせる。このバラバラの世界にあってその動きだけは一切の無駄が無い、整然とした動きで行われる。
 人が達し得る、最速の動きで閃くナイフは、女の左目を安々と貫き、奥にある神経を切断し、さらに置くにある脳を破壊して、反対側の目を切り裂きながら頭部を抜ける。
 それでこの場から人はいなくなる。バラバラの物体が増えて、鬼が一人残る。
「……ひゅー、驚いたね、大した速度だ。 まさかそんな得物であたしの髪を奪う奴がいるとはね」
 赤い女は軽い驚きを含んだ軽い口調で言う。
 もちろん、バラバラになってもいなければ脳を破壊されてもいないし、左目を貫かれてもいない。ただ、赤い前髪が綺麗に切り揃えられているだけだ。
 赤い女は人類最速の一撃をソレを上回る速さでかわして見せたのだ。
 鬼の顔には相変わらず笑みが浮かんでいるが、さすがに驚きと呆れが多分に混じっている。
「あんた、何モンだよ。 警察ってわけじゃあねえよな」
「おいおい、つまんない詮索すんじゃないよ。 どうせお互いに一晩だけの相手だ、激しく楽しく愉快に後腐れなく良いことしようぜ」
 赤色は逆光でも分かるくらい、凶暴で威圧的で何より魅力的な笑みを浮かべる。
 それに答えるように鬼もまた、ナイフを構えながら顔面の刺青を歪ませる笑みを作る。
「かはは、ちげえねぇ。 一夜限りの傑作だ。 せいぜい忘れられない夜にしようぜ」
「はんっ、話が早くて良いねえ。 そんじゃあ鬼ごっこを始めようか。 まずは鬼決めのジャンケンだ、行くぜ。 ジャーンーケーン……」
 悠長に腕を振っている赤色に、鬼が踏み込もうとしたとき、目の前から赤色が消失した。
 それはいかなる動きだろうか。先ほどの鬼が見せた人類最速の動きを超える、速度など本来存在するものではない。それゆえの最速なのだから。ならば今起きているのは一体何なんだろうか。
 鬼の視界から消え去った赤色は一瞬後には、鬼の視界全てを覆っていた。
「…………!!」
「グー!」
 驚愕で機能を放棄した思考回路を置き去りにして、鬼の肉体回路が瞬時にその場を飛びのかせた。
 その直ぐ傍、今まで鬼が立っていた場所を赤い暴風が襲う。突き出されたのは拳。何の変哲も無い、ただ力任せに繰り出したようにしか思えない、ジャンケンのグー。それは確実に刃物を砕き、神をも貫く一撃だった。
 その一撃をかわした鬼は、即座に行動に移る。一切の無駄を排し、合切の力を持って、全身全霊をかけて、脇目も振らずに――。

 逃走した。

 瞬間的に鬼は理解した。
 自分では、否、誰であろうとも、この赤色に勝てない。このままでは殺されるのは間違いなく自分のほうだと。
「言い忘れたけど、出さなきゃ負けだぜ」
「っ、きちんと十秒数えろよ!」
 忌々しげに吼える鬼の後ろからは、鬼の言い分を飲んだのか暢気に数を数え始める声が聞こえる。
「鬼が逃げる鬼ごっこか――傑作だよなあ」
 碁盤目状の京都の町を鬼が走る。
 三条通に出て鴨川方面へと、途中左に折れて二条城方面へ。
 普段ならあるはずの人通りはほとんど無かった。ただでさえ単純な道のこの街では姿を暗ますのも難しい。人通りが少ない理由は明白だった。ここ最近この京都を震撼させている連続通り魔殺人事件のせいだ。
「自業自得か。 あの戯言遣いならどんな逃げ口上を言うのかね」
 この危機的状況にあっても、鬼はまだ笑っている。 まるでそれ以外の表情を知らないように。
 二条城前に差し掛かったとき、鬼は走るのを止めて立ち止まる。疲労のためでも安心のためでもない。この程度の走っただけで疲れるほど貧弱では無いし、あの赤色の脅威はこの程度を走っただけで消え去るほど……ちっぽけじゃない。
「よお、本当に十秒数えたのかよ」
 鬼は振り向かずに言う。振り向かずともわかる。
 この暴力的なまでの圧力、間違いようが無い。
「当然だろ、あたしはインチキは嫌いだからね。 んで、どうした? もう逃げないのか」
「よーく考えたらよぉ。 やっぱ鬼が逃げるってのもおかしな話だろ」
「あん? 今更ジャンケンの結果にいちゃもんつけようってか。 悪いが鬼決めのジャンケンは三回先取じゃねえ、一回限りの勝負だよ」
「かはは、つれないこと言うなよ」
 鬼は振り向く。恐る恐るでも、ガチガチでもなく、ごく自然に何も気負った風も無く。
 その先ではやはり赤色が笑っている。
「つってもよ、別にジャンケンの結果に文句があるわけじゃねえ。 ただ、折角のデートなのに追いかけっこだけじゃつまんねえだろ、お互いにさ」
「ふーん、それじゃあどうするよ殺人鬼」
 赤色の質問に駆け出すことで応える。
 駆け出した方向は赤色に背を向けたのでも、赤色に向けてでもない。横に向かって、走り出した。
 意識の中に捕らえておいた赤色も鬼に向かって駆け出した。コンパスの差というだけでは説明がつかない速度で、赤色は鬼に迫る。
 追いつかれる寸前、鬼は走る方向を転換させて赤色へと跳ぶ。
 いきなりの鬼の行動に、しかし赤色は動じることもなく、地を蹴る長い足を鬼に向かって振るう。
 鬼は勢いを殺さず、そのまま転がるようにリーチの長い蹴りをかわし、赤色の横をすり抜ける。
 すぐさま身を起こすと前方に向かって駆け出す。そのすぐ後ろを、蹴り上げた足をそのまま振り回して転じた回転蹴りが通り抜ける。それはさながら赤い竜巻のようだった。
 後ろで紙を結わいていた髪留めが、髪の毛数本とともに消し飛ぶ。白髪がパッと広がる。
 鬼はそのことに気にも留めず、体を思いっきり捻りながら手元にあるナイフを、蹴りを放ち体勢が不安定であろうはずの赤色へと閃かせる。
 ヒュン、と――、
 ナイフは空しく空を切る。
 当然だ。体勢が崩れているのは鬼も同様なのだ。ましてや長身の赤色と小柄な鬼とでは、ナイフ程度では埋まらないリーチの差がある。
 だが、そんなことは鬼も先刻承知だ。この程度で仕留められる相手に、自分は逃走を選んだりはしない。
 決して届かない相手だと識ったからこそ、闘争を放棄したのだ。
 鬼はバックステップというには長すぎる距離を跳ぶと、再び逃走を開始する。
 路地を走り回り、何とか撒こうとするが、赤い圧力は依然として後ろから迫っている。
「おいおい、追いかけっこだけじゃつまらないんじゃなかったのかよ」
「かはは、悪いな。 俺は気まぐれなんだよ」
 それでも、こんな危機的状況に陥っていても尚、鬼は笑う。
 後方の圧力に意識を向けながら走り回っていると、前方に路上駐車されている単車が目に付いた。
 鬼は単車へと向かって走りながら、キリのように細長いナイフを取り出すと、ソレを単車の鍵穴へと躊躇なく差し込んだ。そのままナイフを二、三回揺らすと、近所迷惑この上ない重低音が響き渡る。
 錠開け専用鉄具アンチロックブレード
 小柄な体格に合わない、それに跨ると一気に加速させ、疾走する。
 本来の主であろうと無かろうと関係なしに、けたたましい音を立てながらぐんぐんと加速していく。
 このまま京都から一度逃げ出したほうが良さそうだと判断し、狭い通りから大通りへと出ることにする。狭い路地をこんなので走っているよりは大通りを走っていたほうが目立つまい。
 だが、それはやっぱり甘い算段だった。
 大通りへと出るというところで、その道のど真ん中に、あの赤色が待ち構えていた。
 鬼は止まるどころか、更に加速させる。
 今更止まっても引き返しても、大きな隙を相手に見せ付けるだけだ。ならばこのまま突っ込んだほうが、まだ幾分かマシに思えた。それは、死中に活ありというにはあまりに分が悪い。
 このままひき殺されるなり、避けてくれるならば良いのだが、避けながら乗っている鬼だけを攻撃するくらい、あの赤色には造作も無いだろう。
 鬼もその交差の瞬間に最大限の警戒を持って、応じる。
 距離がどんどん縮まっていく。
 赤色はまだ動かない。
 さらに縮まる。
 赤色はまだ動かない。
 縮まる。
 そして――。
 ――鬼の予測はあっけなく裏切られた。
 耳障りな破砕音。
 宙に舞う体。
 赤色は最後の最後まで動かなかった。
 その赤色を鬼は呆然と見やる。驚きも呆れも嘲りも誉れも無く、ただ見ているだけしかできない。
 そんな鬼の顔を、赤色は――シニカルな笑みを浮かべて、見上げている。
 確かに、衝突したはずだった。
 何が起きたのかは分からない。ただ、その結果。
 衝撃の勢いに負けて宙を待ったのはバイクと鬼。
 衝撃の勢いなんてそもそも気にも留めずにいるのが赤色。
 逆様の視界で立つ赤色を見上げる鬼。
 順当の視界で浮かぶ鬼を見下す赤色。

 このとき、初めて二人の目が合致した。

 鬼は咄嗟にバイクを蹴り、飛ぶ。
 赤色は瞬時に宙へと跳び、蹴る。
 バイクの前輪が消失させ、更に空高く舞い上げる。
 地面を蹴り転がりながら着地の衝撃を殺す。
 鬼は空を見上げるどころか体を起こす間もなく、もう一度跳ぶ。
「ライダーキック」
 今まで鬼がいた場所を、赤色がまるで地の獲物を仕留める鷹の如き鋭い蹴りで砕く。
 ようやく身を起こした鬼は、そんな赤色に引き攣った笑みを向ける。
「テメェ……本当に人間かよ。 人の皮被った妖怪じゃねえのか。 それともマジで改造人間なのか」
「はんっ、人殺の鬼に言われたくは無いね。 だが、まあ、鬼ゴッコもおひらきだ。 終点がこことは中々洒落てるじゃねえか」
 どうやら、思ったよりも走っていたようで、今二人が居るのは晴明神社前。
 赤色の言うとおり、鬼ゴッコの終演場所としては洒落ている。
「かはっ、まだ夜は始まったばっかじゃねえか。 こんなに早く終わらされたら白けちまう」
「わりぃな。 あたしはこれでも忙しい身の上でね、あんあまりのんびりしてられねえんだよ。 ああ、だけど安心しろよ。 きちんと満足はさせてやる。 後で悔やむことの無いようすっきりさせるさ。 最初に言ったろ、たった一夜限りの付き合いだ、後腐れないように、きっちりすっきりはっきりきっぱりとこの場で終わらせてやるよ」
 シニカルな笑みを浮かべる赤色からは殺気は無い。それでもその言葉には一切の偽りも無い。
 赤色は言葉どおり、この場で鬼を続きが無いように終わらせる。
「拍手喝采の傑作だぜ」
 応える鬼は、やはり笑っていた。
 その鬼の指が――ついっと、動く。
 ただそれだけだ。別にナイフを振るったわけでも、投げたわけでもない。何も持っていない指を動かしただけ。
 その動きで、赤色の表情に驚きが生まれる。
 次いで、宙を舞っていたバイクが猛スピードで赤色へと堕ちていく。自然落下ではありえない速度、まるで何かに引っ張られたような勢いだ。
 そして、エンジンが掛かりっぱなしのバイクが、赤色の頭上でバラバラのジグザグになった。
 ――発火。
 ――爆発。
 ――炎上。
 夜の街を、街灯を遥かに上回る光が照らし出す。
 その明かりの中から、赤色が飛び出す。服があちらこちら焦げているが、本人は火傷を負っていないようだ。それでも赤色は忌々しげに舌打ちをして吐き捨てる。
「このあたしとした事が随分な間抜けを演じたもんだ。 まさか《曲弦糸きょくげんし》まで扱うなんてな、んな《零崎ぜろざき》聞いたこともねえぞ。 あたしの髪を切り、追撃を逃れて、おまけに最後に一撃入れていくような奴が無名ってのは納得いかねえな」
 そう言って、切り傷のようなモノが付けられ血が滲んでいる腕を押さえる。
 あのバイクが爆発する瞬間、赤色はそのまま鬼に向かって走り出すつもりだった。ところが、それを牽制するように鬼がナイフを投げつけてきた。爆発の衝撃の中では、さすがに完全にはかわすことは出来なかった。
「はん、なるほどね。 捻くれ具合といい、読めないっちゃ読めないところといい、何よりあの目といい……『あいつ』にそっくりだな」
 その顔には既にあのシニカルな笑みが戻ってきている。
 だが厄介なことになったのは確かだ。当然のように既に鬼は姿を消している。さすがに今からでは追いつくことも探すことも難しい。今夜限りで後腐れなく終わらせるという言葉に嘘は無かったつもりだが、そうは行かなくなった。恐らく、鬼はこの京都を出てどこかしらに姿を暗ますだろう。
 これからやらなければならない、面倒くさいアレコレを考えながら、赤色はシニカルな笑みを浮かべて呟く。

「まったく、笑わせてくれんよ」






寝言

今は昔鬼がいたとされる京都で行われた鬼と鬼殺しの鬼ごっこでした。
今回は一人称じゃなくて、三人称形式です。《戯言シリーズ》というより、《零崎シリーズ》になるのかな、これは。
いやー、バトルは難しい。なんか後書きのたびに「難しい」って言ってる気もするけど。
冒頭で人識が人を殺してますけど、これだと殺した人数の計算が合わないことに後で気がつきました。



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